――歴女
が、流行語大賞のトップ10入りを果たしたそうですね。
「歴女」というのは、
――歴史好きの女性
のことです。
歴史好きの男であるマル太としては、歴女の登場は、なかなかに嬉しいことなのです。
が、それと同時に――
憤りにも似た感情がわいてきまして――
というのは――
わざわざ「歴女」という言葉ができたくらいですから――
「歴女」以前は、きっと、
――歴史好きの女性などは珍しい。
というのが社会通念であったわけですよね。
つまり、
(なんで、そんな社会通念がまかりとおっていたのか?)
ということなのですよ。
前述の「憤りにも似た感情」というのは、そうした思いです。
歴史というのは、簡単にいってしまえば、無数の人間模様の履歴ですから――
歴史に興味をもつのに男も女もありません。
だって、どちらも人間なのですから――
むしろ、女性のほうが人間模様には敏感ですよね。
ということは――
女性のほうが男性よりも、より歴史好きになりやすいくらいのはずです。
「歴史好きの女性などは珍しい」との固定観念をはびこらせていたものは何でしょうか。
おそらく、
歴史 = 武将たちの戦いの遍歴
の図式でしょう。
そんなことはありません。
武将の人生や合戦の記録が歴史の流れに占める割合など、実に微々たるものです。
この図式の蒙昧さに、もう少し早く気づいていれば――
斬新な歴史小説が書けたかもしれないな~。
「歴女」が流行語になってしまった今となっては、
(もう、いっか……)
って感じですけれど――(苦笑