きのうのチリ地震によるとみられる津波が――
日本列島にも押し寄せましたね。
仙台港でも、1メートル余りの津波を観測したのだとか――
朝から盛んに報道された通りです。
ところで――
50年前の1960年にも同様の津波が押し寄せました。
そのときも、チリでの地震が引き金でした。
今回よりも高い津波であったそうです。
地震の規模がマグニチュード9のオーダーであったそうですから、当然ですね。
50年前のことですから――
その津波を体験した人たちが大勢います。
そういう人たちの話を、たまたま数年前に聞いていたました。
皆さん、一様に、
――恐かった。
と、おっしゃっていたのですが――
その「恐さ」の質が、どうも巧く飲み込めなかったのですね。
少なくとも、特撮映画に出てくる津波を恐れるような「恐さ」ではありませんでした。
では、どんな「恐さ」であったかといえば、
――知らぬ間に足下が水浸しになっていた。
といった「恐さ」です。
強いていうならば――
サイコ・ホラー映画の筋書きのような「恐さ」でしょうか。
いわば、静けさに満ちた「恐さ」ですね。
今回の報道で納得をしましたよ。
津波というのは、僕らが海水浴場で見知っている波とは完全に異質のものですね。
「波が巨大化したもの」というよりは「潮位の急激な変化」のようです。