どんなに素晴らしい絵画や写真でも――
それを毎日のようにみていたら、あきてしまいますね。
あきるというは――
それをみても、何とも思わなくなる――
(ああ、こんな絵だよな~)
とか、
(こんな写真だよな~)
とか――
毎日のようにみていると――
きのうにみたことや、おとついにみたことが、頭を離れないのです。
どんなときに、どんな気持ちでみていたか――
そんなことまで覚えてしまっている――
絵画や写真と直に関係のないことまでを思い出してしまっては――
ちっとも心は動かないのです。
動くとしたら、何か別のことに対して――です。
だから――
どんなに素晴らしい絵画や写真であっても、一度みたら忘れたいのです。
次にみるそのときまでは、忘れていたい――
次にみるそのときに――
みはじめて数秒後に、
――あ、これ、みたことがある。
と思い出す――
それくらいが理想でしょう。