マル太の『道草日記』

ほぼ毎日更新――

愛で始まる恋があってもよい

 きのうの『道草日記』で、恋と愛との違いに触れましたが――
 これらの違いを頭に入れておくことが、なぜ有用なのかといいますと――

 それは――
 恋と愛との関係性が恋愛や結婚の決定的な要因であると考えられるからです。

 通常、恋で始まり、愛で終わります。

 男女が互いに出会って恋に落ち、恋愛を存分に楽しむうちに――
 恋が冷めて愛が芽生え、やがて結婚を決断するというのが――
 もっとも正統な過程であるように思えます。

 ここでいう恋と愛との関係性とは、

 ――愛にキッカケを与える事象が恋である。

 ということです。

 が――
 その逆もあると僕は思っているのですよ。

 ――愛で始まる恋があってもよい。

 と――

 ――そんなこと、ありうるのか?

 と思われる向きもありましょうが――
 少なくともフィクションの世界では、しょっちゅうです。

 典型は、

 ――お兄ちゃんを好きになっちゃった。

 というやつですね。
 あるいは、

 ――妹に恋をしてしまった。

 という――
 主に少女向けのフィクションに多発する事象です(笑

 こうした物語が物語として頻繁に成立しているということは――
 それに見合った痕跡が、現実の世界にもあるからでしょう。

 たしかに、

 ――最初はお兄さんみたいだったのに、だんだん恋人として意識するようになった。

 とか、

 ――最初は妹みたいだったんだけれど、だんだん女としてみるようになってきた。

 といった話は、現実の世界でも、チラホラと耳にはするのです。

 ここでいう恋と愛との関係性は、

 ――愛が恋に変化をし、それがキッカケとなって、愛が発展していく。

 となります。

 恋で始まり、愛で終わるか――
 愛で始まり、恋を挟んで、愛で終わるか――

 どちらにしても、

 ――人の道として究めるべきは愛である。

 という結論になりますね。

 恋を説く宗教がなく、愛を説く宗教が多いのは――
 理にかなったことです。