恋と愛との違いについて、僕は、よく考えるのですよ。
ロマンチックな観点からではなく――
どちらかというと自然科学的な観点から考えています(笑
――恋は体の反応である。
と思っています。
心とは無関係に、脳を含めた体が勝手に反応をしてしまうのが恋である、ということですね。
これに対し、
――愛は心の操作である。
と思っています。
恋で反応をしてしまった体に、心を通して操作を施そうとするのが愛である、ということですね。
たぶん、この説明では、愛のほうがわかりにくいでしょう。
心を通して体に操作を施すということは、結局は、行動を規定するということです。
行動というものは、多くは、体で行うものですから――
体の動きになって、目にみえて初めて、認知されるものですから――
要するに――
恋は感情であり、愛は意志である、ということですね。
感情と無縁の恋などありえない――
意志と無縁の愛などありえない――
そういうことです。
――自分は、いま恋をしているのか。
と問うならば、自分の感情を知ることです。
――自分は、あの人を愛しているのか。
と問うならば、自分の意志を確かめることです。