マル太の『道草日記』

ほぼ毎日更新――

それだけで幾らかは興を削ぐ

 JR東日本が来春に導入する新幹線の新型車両について――
 当初、新たな愛称を公募し、選定する予定でいたものが――
 現行の「はやて」が続けて適用される可能性も出てきたそうです。

 きょうのネット・ニュースが伝えています(産經新聞、提供)

     *

 愛称というものは、本来、人為的に決めるものではないと思うのですよね。

 たしかに――
 新幹線の場合は、黎明期の「こだま」や「ひかり」が、人為的な愛称でありながら、大当たりをしているので――
 まあ、いたしかたないところもあろうかとは思いますが――
 理想をいえば、愛称は自然発生的がよいと思います。

 新型車両の形から着想を得た愛称――
E5系」の車両名から派生した愛称――

 あるいは、その他まったく予想できなかった形で飛び出した愛称などが――
 結局は、多くの人たちにムリなく受け入れられると思うのです。

 例えば、旧国鉄D51蒸気機関車が、

 ――デゴイチ

 の愛称で親しまれたように――

D51」を「デゴイチ」と読み替えるなど――
 常識では絶対にありえませんよ(笑

 少なくとも、公募型の愛称選定では、まず起こりません。

 愛称が、多くの人たちにムリなく受け入れられるには、幾つかの条件を満たす必要があると感じます。

 1)人為的にではなく、自然発生的に定着した。
 2)定着までに十分な年月を費やしている。
 3)アウトロー的ないし規格外的な響きがある。

デゴイチ」は、これら3つ全てを満たしているといってよいでしょう。

 ちなみに――
 現在の東北新幹線の「はやて」は、「1」も「3」も満たしてはおらず、
(唯一、「2」のみを満たしかかっているのかな~)
 といった印象です。

 愛称を新規に設定する場合には、「2」すら満たさないことになるのですから――
 現行の「はやて」を存続させることが最も原理にかなっている、と感じます。

 愛称は、人為的に決められたら最後――
 それだけで幾らかは興を削いでしまう宿命を背負っています