マル太の『道草日記』

ほぼ毎日更新――

桜を擬人化したら

 仙台の街にも、ようやく桜が咲き始めました。
 もう少しで満開です。

 ところで――
 桜を擬人化したら、どうなるのでしょうね。

 昭和の初め頃――
 桜は軍国青年になぞらえられていました。

 この時代を描く映画やTVドラマなどでは、

 ――オレとオマエは同期の桜――

 といって――
 若い将校たちが互いの肩を叩き合っているシーンをよくみかけます。

 そんなシーンを子供の頃にみて――
 ちょっと違和感を覚えたものです。

(ええ~、あんなゴツいお兄さんたちが桜なの~?)
 と――

 桜を擬人化したならば、可憐で清楚な乙女になろうと思ってばかりいました。

 今でも、その思いに代わりはありません。

 もちろん――
「オレとオマエは同期の桜」というのは――
 春になって桜が満開になり、その後、さっと散ってく様が――
 一人前の軍人になり、その後、戦地に倒れる様へ重ね合わされてのことでしょう。

 が――
 意気盛んな青年将校が桜の擬人化の結果であるいうのは――
 どうも僕の美意識には、なじみません。

 したがって――
 もし、僕が昭和の初めを舞台に小説を書くことがあっても――
「オレとオマエは同期の桜」みたいな台詞を用いることは、まずないでしょう。

 用いるとしたら――
 男色と絡めざるをえないでしょうね~。

 でも、そんな小説は、たぶん僕には書けそうにない――