マル太の『道草日記』

ほぼ毎日更新――

科学という光が照らす自然の周りは

 きょうは、夕方になって風が強まり、冬のような寒さでした。
 冬物のコートをはおって防寒対策です――4月も半ばだというのに――

 まあ、なかなか暦どおりにはいかないのが自然の気候ですから――
 ここでブツクサいってみても始まらないのですが――

 自然の気候が暦どおりにいっていないと――
 やはり、少なからず不安になるものです。

 とくに、地球科学の知識や理解があると、不安が少し助長されるでしょう。

 地球環境が、いかに奇跡的にバランスの上に成り立っているか――
 そのバランスを成り立たせるために、いかに精緻なメカニズムが必要とされているか――
 そうした理解が深まれば深まるほどに――
 些細な天候不順も、不安をかきたてます。

 ――もしかして、あの精緻なメカニズムのどこかに、ほころびが見え始めているのではないか。

 とか、

 ――もしかして、今、この奇跡的にバランスのとれた環境が、徐々に失われつつあるのではないか。

 とか――

 そうした不安は、地球科学的には、ある種、荒唐無稽ではあるのですが――
 地球環境という対象が、あまりにも巨大で複雑であるために、そのような不安が本当に荒唐無稽であることを確証する術は、どこにもありません。

 究極のところは、皆で祈るしかないのです。
 皆で手を合わせて、

 ――何事も起こりませんように――

 と「お祈り」をする――
 どこに向かって祈るかは、人それぞれでしょうが――

 科学は、日進月歩です。
 人類の自然への理解を格段に深め、人類の不安を和らげてきました。

 が、科学にも限界はあります。
 ここまでわかっている――という限界です。

 そこを突き詰めていったときに――
 人は覚悟のようなものを迫られます。

 ――ここから先は、本当のところは、誰にもわからないんだぞ。

 と――

 ――100年たっても1000年たっても、わからないかもしれないんだぞ。

 と――

 ――その前に、人類の文明が滅んでいるかもしれないんだぞ。

 と――

 科学という光が照らす自然の周りは、漆黒の闇に閉ざされています。