人は、幼い頃には、何も知らないことだらけです。
ですから――
何か新しいことを知ると、それだけ興奮できるものですが――
だんだんに歳をとって大人になっていくと――
知らなかったことを知る経験が積み重なっていき――
やがて――
知らないことそれ自体に慣れてきます。
ですから――
何か知らないことが、何か知っていることに置き換わっても、それだけでは興奮しない――
では、何で興奮するかというと――
知っていると思っていたことが、実は何も知っていなかった――
というようなときに興奮するようになります。
知らないということに慣れてはいるけれども――
知っているということには慣れていない――
知っているということは――
たいていの場合――
自分の知らないことに自分の知っていることで安易にレッテルを貼っているだけのことが多いのです。