マル太の『道草日記』

ほぼ毎日更新――

俳優の佐藤慶さんが

 俳優の佐藤慶さんが亡くなったそうですね。
 81歳であられたそうです。

 きょうのネット・ニュースが伝えています。

 気になる俳優さんでした。
 とくに、悪役ばかり好んで引き受けておられるようなところに、惹かれていました。

 とくに歴史物のドラマでは、冷酷で融通がきかないとされる人物を多く演じておられました。
 明智光秀比企能員間部詮房源頼義岩倉具視――

 まさに絵に描いたように冷酷で融通がきかない感じなのです。
 とっても芝居がわかりやすい――

 だから、事情をよく知らない子供などは、大人たちのTVドラマを垣間みつつ、

 ――なんてヤなヤツ!

 などと思っていたんじゃないでしょうかね。
 僕も思っていましたから――(笑

 ただし――
 悪役を好んで演じる俳優さんは好人物であることが多いといいます。

 だから、十代も後半に差し掛かる頃には、
(素の佐藤慶さんは、きっと好人物に違いない)
 と思うようになりました。

 今でも思っています。
 確信をしているといってもいいくらい――

 根拠はありません。

 ご面識を得なかったのは、もちろんのこと――
 素の佐藤慶さんをTVなどでおみかけすることも、結局はありませんでした。

 ごくたまにバラエティ番組でトークをされたこともあったそうですね。
 拝見できずに残念です。

     *

 予備校生であった頃――
 日本史の先生と少し仲良くなったことがあります。

 当時30代くらいの男性で――
 ユーモアのある穏やかな語り口で、受験知識以外のことも面白おかしく伝える方でした。

 その方が、授業中にポっともらされたことがあります。

 ――僕、俳優の佐藤慶に似てるっていわれるんです。

 余談の話題としてはハマっていました。
 歴史物のドラマに多く出演されていた俳優さんですから――

 ただ、「似てる」のくだりでは、ちょっと首をひねらざるをえませんでした。

 たしかに、似ていないこともなかったのですが――
 ピンとはきませんでした。

 お歳が違いすぎたからです。
 当時、佐藤慶さんは60代半ば――

 が――
 きょう、30代の佐藤慶さんの写真を拝見しました。

 インタビュアーに向って穏やかに語りかけておられる写真です。

 たしかに、ソックリでした。
 ほとんど同一人物であるといってもよいくらい――

 僕が、大した根拠もなく、佐藤慶さんは好人物であったに違いないと確信をしているのは――
 そうしたことにもよります。