全く同じ料理を、別の国に行って食べたらどうなるか――
という話をききました。
全く同じ料理というのは――
同じ食材で調理をし、調理の方法は一緒、調理した人も一緒――というものですよ。
もちろん、そんな「全く同じ料理」を用意することは、事実上、不可能であろうとは思いますが――
この際、そのことは関係ありません。
思考実験です。
全く同じ料理を――
例えば、日本国内で食べるのと、ヨーロッパで食べるのと、インドで食べるのと、アフリカで食べるのと、アメリカで食べるとでは――
同じ味か、同じ味でないか――
答えは――
おそらく、
――どれも違う。
でしょう。
なぜなら――
国によって気候が変わり――
気候が変われば、体調が変わるから――
気候や体調が変われば精神状態も変わるでしょう。
気候や体調だけではありません。
周囲を行き交う人々が変わります。
周囲で飛び交う言葉も変わります。
そうなれば――
精神状態が変わらないわけはありませんね。
精神状態が変わってくれば――
味覚も変わってくるに違いない――
味覚を含むあらゆる知覚は、最終的には、精神によって受け止められるのですから――
ですから――
たとえ全く同じ料理であっても、味は変わってくるのです。
毎日の食事に飽きてしまったら――
海外旅行をするのが手っ取り早い解決策かもしれませんね。