勝負事で大切なのは――
勝敗の結果ではなく、勝負が着くまでの経緯だと思っています。
誰が誰に勝ったのかとか、誰が誰に負けたのかとか――
そういったことが大切なのではなく――
勝者はいかに勝負に挑んでいったのか、敗者はいかに勝負に挑んでいったのか――
それら双方のプロセスが大切だと思うのです。
勝負が着いてしまったら――
その結果は、本来は、すぐに忘れるのがいいのでしょう。
その勝負に関わった全員が、勝負の結果を忘れることで――
勝者は奢らずに済み、敗者は蔑まれずに済みます。
が――
なかなかそうはいきませんね。
勝負の結果は、ときに永く語り継がれます。
勝者は奢り、敗者は蔑まれるのが、人の世のならいです。
人は、何か勝負事に関わるときは――
常に、その負の側面を意識しておくのがいいでしょう。