プロスポーツの究極の目標は、
――良き敗者
だと――
僕は思っています。
負けてもファンを喜ばせ、元気にし、あすからの暮らしに活力を与えるような――
そういう敗者です。
もちろん、「良き勝者」だって立派な目標ではありますが――
勝ってファンを喜ばせ、元気にするのは――
たぶん、そんなに難しくはありません。
「負けても……」というのが、「良き敗者」の「良き」たるゆえんなのです。
一般に――
プロスポーツの世界では、「良き勝者」や「悪しき敗者」ばかりが目につきます。
「良き勝者」というのは、前述の通り――
勝ってファンを喜ばせ、元気にし、あすからの暮らしに活力を与えるような――
そういう勝者です。
「悪しき敗者」というのは――
当然ながら――
負けてファンをガッカリさせ、陰気にし、あすからの暮らしを怠惰にさせるような――
そういう敗者です。
ごくまれに――
「良き敗者」や「悪しき勝者」が目につきます。
「良き敗者」というのは、本当に清々しい――
稀有の存在と思います。
一方、「悪しき勝者」は、たぶん「悪しき敗者」よりもタチが悪い――
勝ってもファンをガッカリさせ、陰気にし、あすからの暮らしを怠惰にさせるような――
そういう勝者のことですから――
アマチュアスポーツなら、それでもいいと思います――ファンが存在しないのですから――
プロスポーツは産業です。
マーケットがあって初めて成り立つ興業です。
そのマーケットを裏打ちしているのは、一人ひとりのファンの気持ちです。