物語を思い切って2種類に分類するとなれば、
――勝者の物語
と、
――敗者の物語
とになると思います。
……
……
では――
いったい――
誰が“勝者の物語”に惹かれ――
誰が“敗者の物語”に惹かれるのか――
ちょっと考えてみました。
……
……
僕の結論は――
実際の自分の人生で勝ち続けている人――あるいは、勝ち続けていると自覚している人――が、“敗者の物語”に惹かれ――
実際の自分の人生で負け続けている人――あるいは、負け続けていると自覚している人――が、“勝者の物語”に惹かれている――
というものです。
……
……
人は、物語に多少なりとも反実仮想を求めると思うのですよね。
実際に勝ち続けている人が、物語にまで勝ちを求めるのか――
実際に負け続けている人が、物語にまで負けを求めるのか――
僕には――
どうしても――
そんなふうには思えないのです。