マル太の『道草日記』

ほぼ毎日更新――

不倫の本態

 ――この国の不倫人口は、ざっと500万である。

 という話をきいて――
 きのうの『道草日記』を書く気になりました。

 事の真偽はともかく、「不倫人口500万」という数字に説得力を感じてしまったのです。

(う~む。たしかに、それぐらいいても不思議はないか)
 と思ってしまったのですね。

 もちろん――
 この場合の「不倫人口」が、

 ――これまでに一度でも不倫行為をしたことがある人

 という意味なのか、

 ――今も現に不倫行為を続けている人

 という意味なのか、
 
 ――不倫行為に及んだことはないが、誰かと不倫行為に及びたいと思っている人

 という意味なのかで――
 話は変わってくるのですが――

 いずれにしても――
 この話は、不倫に意識的な興味をもっている人々が相当な割合で存在することを示唆しています。

 そこに――
 僕は説得力を感じたのでしょうね。

 ……

 ……

 実際――
 今年は、著名人の不倫の醜聞がメディアを繰り返し席巻しました。

 そうしたスキャンダル報道に、多大な関心が寄せられました。

 それだけ、世の中の多くの人々にとって、不倫が身近な問題となっているのでしょう。

 ……

 ……

 不倫の本態は、

 ――恋愛感情の衝動が倫理思考の自制を吹き飛ばすこと

 です。

 不倫の問題に取りくむ際に――
 しばしば注目されるのは、「倫理思考」や「自制」ですが――
 それ以上に注目されるべきは、「恋愛感情」や「衝動」のほうでしょう。

 こちらが起点となって――
 人は不倫行為に及ぶのですから――

 まずは、起点の周辺を冷静に見直すことが必要です。

 もっとも――
 人は、自分や自分たちの恋愛感情および衝動を冷静に見直すことに慣れていません。

 どうやったら、恋愛感情をコントロールできるのか――
 どうやったら、衝動に抗うことができるのか――

 その方法論をきちんと考察し――
 考察に結論を導き――
 結論を実行に移すことに――
 慣れていません。

 なぜか――

 恋愛感情や衝動は、倫理思考や自制よりも、はるかに生々しく、ドロドロしていて、つかみどころがなく――
 多くの人々に嫌われ、避けられ、恐れられているからです。