電車に乗ってくるカップルをみていると、色々なことが想像されます。
(あ、男は女の顔をほとんどみてないな)
とか、
(男は些細なことでも笑顔を作ってるな)
とか――
そして、様々なことを勘ぐります。
2人は付き合い始めなのか、倦怠期に入っているのか、それとも別れる寸前なのか――
まあ――
それら推測の多くは、たぶん外れているのだと思いますが――
着目すべきは、それくらい多くの色々なことが推測できてしまう、という事実のほうでしょう。
人が2人でいると――
それぞれの人となりだけでなく、その2人の間の人間関係がみえてくる――
個人の表情や仕草や服装などから、その人となりを推測するというよりは――
まず、2人の人間関係を推測し、そこから2人の人となりを別個に推測する――
そんな感じです。
小説やマンガや映画などの物語では――
通常、人が描かれるのではなく、人間関係が描かれています。
個人の人となりよりも、個人間の関係性のほうに、人々は、より強い関心を抱くようです。