人は、つねに、
――自分が普通――
なのですよね。
仮に、自分だけが黒で、残りの人たちが全て白であったとしても、
――自分は普通――残りの人たちは、全て普通ではない。
などと思ってしまう――
おそらく、そう思うのは脳の働きの初期設定なのでしょう。
そんな初期設定がもうけられていることで守られる何かが――
人の脳や心には、あるのでしょう。
他の人たちと何らかの類似性でつながっていたい――
そういう欲求を保ち続けることで、自我の孤独に耐えているのかもしれません。
「自我の孤独」とは、
――他人の心の内を自分が直に体験することはできない。自分の心の内を他人に直に体験させることはできない。
という制約のことです。