――何か自分の考えをまとめるときに、思いついた言葉を一つひとつメモに書き留めていけば、それら言葉が自然とつながっていき、いつしか、一つのストーリーにまとまっていく。
という話をきいたことがあったので――
きょう、それをちょっと試してみたのですよ。
そうしたら――
たしかに、つながっていく……。
面白いようにつながっていって――
ほんの数十分ほどで、一つの考えにまとまりました。
(あら、不思議……)
というのが率直な印象です。
ところが――
あとになって、その考えを振り返ってみたら――
(なんだ、使い物にならない考えじゃん……)
と思い――
……
……
つまりは――
こういうことだと思うのです。
人の脳は――いや、僕の脳はといいかえておきましょう。
僕の脳は、目の前にある言葉を、とにかく、つなげたがるのだ、と――
例えば、「トマト」「2次方程式」「盆踊り」「預金通帳」「星雲」「ヘドロ」といった言葉でも、何とか頑張って、つなげようと試みるのだ、と――
――トマトは、生で食べるのと火を通して食べるのとでは、2次方程式が実数解をもつのか虚数解をもつのかくらいに違うのである。
とか――
たしかに、言葉はつながるけれど……(笑