――ウソから出たマコト
などといいますが――
本当は、
――ウソの中にもマコト
だと思っています。
どんな虚偽にも真実が含まれているものです。
たとえ、それが真実の断片であったとしても――
だから――
世にはびこる虚偽を指弾するのではなく、そうした虚偽に含まれる真実の断片を究明するほうが、よほど建設的だと思うのです。
――ウソはウソだ!
などと喚き続けていては疲れるし――
傍で喚かれるほうは、もっと疲れてしまう――
ウソに迎合する必要はありませんが――
ウソを看過する必要はあるのです。
外殻のウソを看過し、中核のマコトを看破する――
そういう寛容さが求められるでしょう。