マル太の『道草日記』

ほぼ毎日更新――

小さな芽のうちに

 非寛容とか利己心とかいうものは――
 小さなうちは苦いのですが――
 大きくなると甘くなるようです。

 寛容を忘れようとしたり、利己を極めようとしたり――
 そうした心理状態に慣れないうちは、良心の呵責に激しく苛まれるものですが――

 やがて――
 そうした心理状態に慣れてしまったら――
 良心は、たまらなく甘美な諦めによって篭絡されていきます。

 ――それでいいんだ。

 ――当然だ。

 ――何も悪くない。

 と――

 いったん肥大してしまった非寛容や利己心は――
 二度と縮小することはないでしょう。

 小さな芽のうちに摘み取っていくしかないのです。