毎日、日記を書くよりは――
毎日、手紙を書くほうが、少し楽かもしれません。
日記は、誰へとはなく書くのに対し――
手紙は、宛先の読み手に向けて書く――
読み手は、通常は自分以外の誰かですから――
その読み手が考えていることや感じていること、知っていること、わかっていることなどは、自分にはわからない――
わからないから、好きに書けるようなところが、文章にはあります。
日記の読み手は――
誰なのでしょうね。
強いていえば、未来の自分でしょうか。
未来の自分は、厄介です。
未来の自分が考えていそうなことや感じていそうなこと、知っていそうなこと、わかっていそうなことなどは、結構よくわかる――
いえ――
実際には、そんなにわかっていなくても、わかっているような気がしてしまう――
だから、日記は書きにくい――少なくとも手紙よりは書きにくい――
毎日、恋人に手紙を書く人物の話を(物語の中などで)ときどき見聞きしますが――
あれは、そんなに大変ではないはずです。