政治家の仕事は、
――利害の調整
が本質だと考えています。
こう述べると、
――政治は受け身ではない。ときに積極的なリーダーシップを発揮することが必要だ。
と反論を浴びることがあります。
「利害の調整」というと――
いわゆる「調整型」の政治家に代表されるような――自らのリーダーシップを発揮することなく、皆の意見を吸い上げ、まとめ上げていく――そういう昔ながらの日本の政治家を連想させるからでしょう。
が――
利害の調整にも、リーダーシップは必要なのです。
「利害の調整」の中には、利益の分配や害悪の分散だけでなく、利益の維持・拡大、あるいは、害悪の減少・消失を含みます。
どうすれば、繁栄を保てるか――
どうすれば、損失を防げるか――
その方策を考え、練り、訴える――そういったプロセスも「利害の調整」の一部なのです。
あるいは――
利益を拡大させることで、害悪を相対的に抑制する――
害悪を消失させることで、利益を相対的に捻出する――
そういった発想の柔軟さも求められます。
ひと口に「利害の調整」といっても、その内容は多岐にわたるのです。