――無為なくして創造なし
と思っております。
何かを作り上げるには、いったんは何もしないように努めなければならない――
何もしない、何も考えない、何も表さない――
「とにかく何かを作り上げたい!」といった作為に満ちあふれた心の状態では――
意欲ばかりが空回りして、何か実のあるものを新しく作り上げることは難しくなるのです
ここでいう「無為」とは、
――あえて何もしない、何もやろうとしない。
という心の状態です。
一つ間違えれば、それは、ただの怠惰となります。
怠惰と無為との違いは何か――
それは――
心の内に、
――準備の念
を秘めているかどうかでしょう。
無為に過ごすうちに、あるとき、ふと「何かを作り上げられそうだ」と感じられる場合があります。
いわゆる、
――ひらめき
です。
そのときに――
その「ひらめき」を即座に実行へ移せるかどうか――
移せれば、「準備の念」が秘められていたということです。
その「無為」は、「創造のための無為」であったとみなせます。
移せなければ、「準備の念」が欠けていたということでしょう。
その「無為」は、「ただの怠惰」であったとみなされるでしょう。