マル太の『道草日記』

ほぼ毎日更新――

あか抜けない

 ――あか抜けない

 という言葉があります。

「いや~、きみ、いつまでたっても、あか抜けないね~」
 などといわれます。

 きょうも、TVのバラエティ番組で、最近になって知名度を上げたタレントさんが、
「あか抜けないね~」
 といわれていました。

 とくに悪意は込められていなかったようですが――
 この言葉、よく考えると、ちょっと過激で無粋です。

 辞書によれば、「あか抜ける」とは、

 ――洗練されている。すっきりしている。

 といった意味になります。
 つまり、「あか抜けない」とは、

 ――洗練されていない。すっきりしていない。

 という意味です。

 よって――
「いや~、きみ、いつまでたっても、あか抜けないね~」というのは、

 ――きみは、いつまでたっても野暮ったい。ゴテゴテしている。

 といった意味になるわけですね。

 それこそ、「あか抜けない物言い」といえましょう。

 が――
「あか抜けない」という言葉は、しばしば使われます。
 しかも、当人へ面と向かって使われる――

 使うほうは、それほどの罪悪感を覚えなくても済む言葉のようです。