ニュースには、良いニュースと悪いニュースとがあるけれども――
実際には、悪いニュースがほとんどである、ということを――
きのうの『道草日記』で述べました。
……
……
述べていて思い出されたのが――
アメリカの映画やTVドラマなどで耳にする冗談です。
すなわち、
――良いニュースと悪いニュースがある。どっちから聞きたい?
という質問ですね。
例えば――
以下のような掛け合いです。
――良いニュースと悪いニュースがある。どっちから聞きたい?
――悪いニュースからにするわ。
――きみに頼まれてたケーキ、売り切れたってさ。
――あら、それは残念――で、良いニュースというのは?
――最後の1個が、ここにあるよ。
――まあ、嬉しい!
――僕らの行いがよかったんだね。
というような掛け合いですね。
……
……
この掛け合いの妙は――
「良いニュースと悪いニュースと、どちらから聞きたいか」と訊かれるほうが、「悪いニュースから聞きたい」と答えることが――
前提になっています。
試しに――
訊かれるほうが、「良いニュースから聞きたい」と答える場面を想定してみると――
……
……
――良いニュースと悪いニュースがある。どっちから聞きたい?
――良いニュースからにするわ。
――きみに頼まれてたケーキ、買ってきたよ
――それは、どうもありがとう――で、悪いニュースというのは?
――買ってこれたのは、最後の1個だった。
――あら、つまり、これは売れ残ってたってことね。
――そうなんだ。傷んだりしてなきゃいいんだが……。
……
……
全く同じ事実に基づいているのに――
何となくイヤな感じの掛け合いになってしまいますね。
……
……
「良いニュースと悪いニュースとがある」といわれたら――
とりあえず、
――悪いニュースから――
と答えておきたいところです。