一見、簡単なようで、意外に難しいのが――
愚問への答え方です。
例えば、
――犯罪は悪いことだと思いますか。
と訊かれれば――
答えは――よほど特異的な文脈でもない限り、
――そう思う。
に決まっているわけですよね。
このように――
誰に訊いても答えが同じになる問いは――
愚問の典型といえましょう。
このような愚問に対し――
どのように答えるのが賢明なのか――
――そんなバカなこと、訊くんじゃない!
と一喝するのは格好よさそうですが――
第三者には何となく幼稚にみえてしまうので――
あまり、お勧めはできません。
かといって――
神妙かつ大真面目に答えるのも、面白みがない――
では――
どのように答えるのがよいのか――
……
……
皆さんは、どう思われますか。
……
……
僕は――
問い返すのが一番だと思っています。
「犯罪は悪いことだと思いますか」と訊かれたら、
――「犯罪」というのは、あの「罪を犯すこと」という意味の「犯罪」ですか?
とか、
――それ、どういう意味ですか。悪いとはいえない犯罪もあるのですか?
とか――
そうやって問い返すことで――
相手が、自分の問いの愚かさに気づくことを狙うわけです。
……
……
とはいえ――
こうやって問い返していると――
たまに、
――質問に質問で返すな!
と怒りだす人も出てくるのですよね。
まさに“逆切れ”以外の何ものでもないのですが――(苦笑
そうはいっても――
質問に質問で返すのは失礼であるというのは、否み難い事実です。