――虹の根元には宝物が埋まっている。
などといいますね。
子供の頃にきいた記憶があります。
もちろん――
宝物が埋まっているわけはなく――(笑
そもそも、虹は光が大気中の水滴によって屈折および反射されることで起こる現象であり――
いわば蜃気楼のような見かけ上の現象ですから――
仮に虹の根元がみえたとして、その地点を目指して突き進んでいったところで、決して到達はできないでしょう。
だから――
宝物を掘り当てることは絶対にありえないわけですが――(笑
きょう――
天気雨のさなかに車で移動をしていたら、虹を目にしまして――
光の縞模様がアーチを描き、山肌の中腹に、すっと降りていました。
根元まで目で追えるような明瞭さでした。
虹の根元をみたのは、きょうが初めてのはずです。
想像していたのと、少し違いました。
何が違っていたかというと――
(……あれなら、仮に宝物が埋まっていたとしても、不思議はない)
という点でした。
……
……
ちなみに――
車の居場所が変わったら、虹の根元の場所も変わったのですがね。
山肌の中腹から、山間の底の方へ――
きっと宝物が埋まっている場所も変わったのでしょう。