僕は、ふだんファッションには気を使わないほうなのです。
どんなに気を使ったところで、僕のセンスなどは高が知れているので――
本当に、ここぞというとき以外は、
――僕、ファッションには全く気を使っていませ~ん。
と大声で叫んでいるかのような服装をします。
もちろん、「ここぞというとき」には、貧困なセンスを振り絞り――
どうにか周囲の人たちに不快感を与えないような服装を心がけておりますが……(汗
そんなわけで――
ときどき、
――なんじゃそりゃ?
というようなパーカーを羽織っていたりするわけですよ。
そんな格好で、例えば、行きつけの床屋さんに顔を出したときに――
そのパーカーをハンガーにかけようとして下さる場合があるのですね。
僕としては、
「いやいや、これは古い安物なので、どこかその辺に置いておくので十分です」
などと恐縮してみせたりするのですが――
先方は、
「いえいえ、そんなことは……」
などとおっしゃり、なおもパーカーを受け取ろうとされるので――
仕方なく、僕は、某量販店ブランドの古くて安いパーカーをお渡しすることになります。
もっとも困惑する瞬間は、先方が「いえいえ、そんなことは……」とおっしゃられるときです。
(“そんなこと”があるでしょ?)
と心の中で真剣にお尋ねしております(笑
まあ――
行きつけの床屋さんに行くときも、ちゃんとした格好で行けってことですね。