どんな計画も失敗のないことが前提ですよね。
失敗のない計画しか、存在はしないのです。
人は、最初から失敗が見込まれるような計画というのを、決してたてません。
失敗のないようにたてるのが、人情です。
ですから――
いったん計画がたってしまったら、必ず、その通りに成功するものだと思い込んでしまう――
計画がその通りに履行されない可能性や、その通りに履行されても失敗に終わる可能性などは、考えない――
そもそも、その計画の中に失敗の素因が含まれているとは、なかなか考えられないものです。
計画は虚構です。
将来の現実に対し、いかに対応していくかの取り決めです。
虚構には危うさが潜みます。
それは、人の心が見逃しやすい欠陥です――例えば、非合理性とか超現実性とか――
それらが失敗の素因となって、計画を蝕み、脆弱にします。
失敗の素因は、計画が虚構である以上は、完全には払拭できません。
このことは、計画をたてるとき――あるいは、たてた計画を履行するとき――には、絶対に忘れてはいけないことです。
計画が虚構であることを強く意識し、つねに目の前の現実と付き合わせ、齟齬の有無を分析し、必要に応じて修正をかけていく――
それが大切です。
が――
それでも――
人は、忘れるのですよね――計画には失敗の素因が潜んでいるということを――