言葉の壁を最も鋭敏に感知するのは――
相手の真意がつかめずに、もどかしく思っているときです。
自分は、相手の求めの意味がわからない――
意味がわからないから、その求めには、ちゃんとは応じられない――
ちゃんとは応じられないから、誤解を与えてしまい、余計な軋轢に進展しかねない――
そうした懸念を言葉で過不足なく伝えるには、当然のことながら、高い言語能力が必要です。
母語なら何とか伝えられても――
母語以外では相当に難しい――
そこに、厚くて高い壁を感じます。
母語を異にする者同士で相対しているときのなかで――
最も、いたたまれなくなる場面でしょう。