マル太の『道草日記』

ほぼ毎日更新――

大きなニュースが

 大きなニュースが飛び込んできました。

 北朝鮮キム・ジョンイル総書記が亡くなったといいます。
 心筋梗塞による急死であったとか――

 過労が引き金になっているようです。
 現地視察に向かう列車の中で亡くなったそうですから、さもありなんです。

 なぜ、この訃報が「大きなニュース」なのか。

 一つは、北朝鮮が日本の近隣国家であること――
 もう一つは、北朝鮮が日本とは全く違う行政組織(統治機構)で治められているからです。

 つまり――
 僕らの国のすぐそばにあって、僕らの常識で語ることが許されない国の最高権力者が急にいなくなったから、「大きなニュース」なのです。

 最高権力者を失った国は、悲惨な顛末をたどりえます。
 苛烈な権力闘争が内戦へと激化し、多くの血が流れえます。

 そういうことがないように――
 いわゆる民主主義国家では、とりあえず誰かが一時的に権力を継承した上で、即座に、代わりの最高権力者の人選が進むわけですが――
 北朝鮮が、そのような制度をもっていないことは、自明でしょう。

 その証左として、キム・ジョンイル総書記が在世中の頃から、後継者が決められ、暗に公表されていました。
 しかも、その後継者は、キム・ジョンイル総書記の子息です。

 そのような人選が行われた時点で、北朝鮮が、ふつうの意味での民主主義国家でないことは、誰もが認めざるをえないでしょう。

 今の北朝鮮は、悲惨な顛末をたどりえます。

 北朝鮮国内が内戦状態になったら、国境を接する中国や韓国は、ただでは済まないでしょう。
 多くの難民が戦火を逃れて流れ込むはずです。

 中国や韓国が、そのような非常時を迎えれば、日本も、ただでは済みません。

 とくに中国とは、近年、経済の結びつきが急速に強まってきました。
 日本も、経済面で大打撃を受けることになるかもしれません。

 北朝鮮政府にいいたいことは、僕にもあります。

 そんな僕よりも、もっと真剣に、もっと沢山に、いいたいことをもっている人たちが大勢いる――
 そのことは、わかっています。

 が――
 今は、北朝鮮政府を安易に非難するときではありません。

 僕らの常識に照らして、北朝鮮の独裁体制や内政施策、外交政策にケチをつけても始まりません。

 北朝鮮が悲惨な顛末をたどることのないように、日本国の有権者として、できることには協力をする――どんなに微々たることでも、協力をする――

 それが、日本の国益を守ることにつながると思うのです。