マル太の『道草日記』

ほぼ毎日更新――

かけひき

 いわゆる、

 ――かけひき

 の本質は、相手の手の内をよむことよりも――
 相手に自分の手の内をよませないことにあると思っています。

 自分の手の内をよませないということは――
 心を閉ざしている、ということです。

 一見、開いているようで、実は閉ざしている――
 自分の感じていることや考えていることを相手に悟らせないようにする――あるいは、ひたすらに隠す――
 それが、かけひきの本態であろうと思うのです。

 僕は「かけひき」という言葉に、どことなく陰鬱な印象をもつのですが――
 それは、「かけひき」の本態が「閉ざす」とか「隠す」にあるからでしょう。

 かけひきをしあっている者どうしは、心を閉ざしあっているのです。
 あるいは、感情や思考を隠しあっている――

 何だか殺伐として鬱々ですよね。