マル太の『道草日記』

ほぼ毎日更新――

もしも、これが逆だったら

 人は――
 自分の過ちには、なかなか気づけません――
 他人の過ちには、すぐに気づけるけれど――

 もしも、これが逆だったら――
 人の世は、さぞかし平穏でしょうね。

 つまり――
 自分の過ちには、すぐに気づけるけれど――
 他人の過ちには、なかなか気づけない――

 そんな人は、たぶん実在しませんね(笑

 これは、どうしたことでしょうか。

 おそらく――
 生物種としてのヒトにとって――
 過ちに気づくということは、自己生存本能に(少なくとも直接的には)反するのだろうと思います。

 簡単にいえば――
 自分の過ちに、すぐに気づくような人は――
 周囲に押しつぶされて長生きができない――

 一方――
 他人の過ちに、すぐに気づくような人は――
 周囲を押しのけて長生きができる――

 ただし――
 ずっと自分の過ちにはほとんど気づかずに、他人の過ちばかりに気づくような人も、そんなには長生きができません。

 日本の戦国期の覇者・織田信長が、よい例ではなかったでしょうか。

 家臣たちの過ちには、よく気づいた――
 だからこそ、強力な家臣団を組織し、それらを駆使して天下人の一歩手前まで上り詰めた――

 が、自分の過ちには、そんなには気づかなかった――
 そのために、家臣の一人・明智光秀の謀反によって、あっけなく命を奪われた――

 そんな気がしてなりません。