マル太の『道草日記』

ほぼ毎日更新――

知っているようで知らないこと

 知っているようで知らないことというのが、意外に多くあります。

 とくに――
 そのことが世界(自然や社会)の事象や生物(人間や動植物)の営為に本質的に関わっていたりしなければ――
 ふつう、わざわざ突きつめて調べたりはしませんので――
 そのままになっていることが多いのですね。

 例えば――
 元素記号に「Cl」というのがあります。

「塩素」を表す記号です。

 これを「クロール」と呼ぶ人がいるのですね。

(なんでだろう?)
 と、ずっと思っていました。

「クロライド」と呼ぶ人もいます。
 それは、知っていました。

「塩化物イオン」が英語で「chloride ion」だからです。

 が――
「クロール」というのは――
 ちょっと、よくわからなかったのですね。

 きょう――
 わかりました。

「塩素」がドイツ語で「Chlor」だからです。

(あ、ドイツ語か~)
 と、思わず溜め息が出ました(苦笑

 ちなみに、英語では「chlorine」――

 が――
「Cl」を「クロライン」と呼ぶ人は、ちょっとみたことがありませんね。

(なぜ英語じゃなくてドイツ語なんだ?)
 と一瞬、戸惑ったのですが――

 考えてみれば、「Natrium」も「Kalium」もドイツ語です。

 つまり、「Na」を「ナトリウム」、「K」を「カリウム」と呼ぶならば――
「Cl」は、むしろ「クロール」のほうが自然なのですね。

 以上――
 僕にとっての「知っているようで知らないこと」の一例でした。

 ちなみに――

 ……

 ……

「ナトリウム」は英語では「sodium」、「カリウム」は「potassium」です。

 よって――
 大学の先生などで、「Na」を「ソディウム」、「K」を「ポタシウム」と呼ぶ人が、時々います。

 たしかに――
「Cl」を「クロライド」と呼ぶならば、「ソディウム」や「ポタシウム」と呼ぶべきですね~。