――ウソがウソを呼ぶ。だから、ウソは一つもついてはいけないのだ。
ということを――
大人は子供に教えるものですが――
この「ウソがウソを呼ぶ」というのは、必ずしも悪いことではないのですね。
どういうことか、おわかりになりますか。
物語の構想を練るときですよ。
例えば、小説を書く――
作家が、物語を練り始め――
一つのエピソードを作り出し――
その作り出されたエピソードに触発されて、もう一つのエピソードを作り出す――
あるいは、一人のキャラクターを造り出し――
その造り出されたキャラクターに触発されて、もう一人のキャラクターを造り出す――
そういう形の「ウソがウソを呼ぶ」であるならば――
おおいに歓迎されてしかるべきなのですね。
小説を書く人の多くは、こうした形の「ウソがウソを呼ぶ」に、ずいぶんと助けられているように思います。