自分が間違った言葉の使い方をしているときというのは――
概して気づきにくいものです。
自分では、その言葉の使い方があっていると信じて疑わないから、そのように使っているわけで――
もし――
少しでも、
――あやしいな。
と思えたなら――
ひとまず使うのをやめるでしょう。
少なくとも、いつまでも使い続けるということはない――
使うのをやめた上で――
それでも、
――気になる。
――納得がいかない。
という場合には――
辞書にあたるなどして、すぐに確認をする――
それが人情だろうと思います。
つまり――
自分が間違った言葉の使い方をしていることに気づくには――
いかにして疑うかが問題なのですね。
少しでも「あやしいな」と思えば――
それで、たいていは事なきに終わるのです。
少しでも「あやしいな」と思えるチャンスは――
ほかの人の言葉の使い方を見聞きし、
――あれ? それ、違ってる。
と思ったときでしょう。
だって――
「違ってる」のは自分のほうかもしれませんから――
そういうときは――
自分を過信したりせずに、すぐに辞書にあたるのがよいのです。
「いかにして疑うか」は「いかにして自分を過信しないか」と同義である――
といっても、よいかもしれません。