同じ文字を手で何度も書いていると――
だんだん、その文字が見知らぬ記号にみえてきて、
(なんだ?)
と思わず、書く手を止めてしまいました。
その文字は日本語の漢字で――
日頃よく使う文字ばかりです。
が――
急に見知らぬ記号に――あたかも、宇宙人が使っているかのような記号に――みえてきたのですね。
似たようなことは――
話し言葉の挨拶では、ときどき経験します。
例えば、
――こんにちは
と何回もいっているうちに、自分で、
――あれ? 今いったい何いってるんだろう?
と首をかしげたくなる――
あるいは、
――「こんにちは」って、どういう意味だっけ?
と途方にくれてしまう――
そういった体験です。
書き言葉でも、同じようなことが起こるのですね。
ちょっと新鮮な体験でした。
もちろん――
この場合、「手で何度も書いている」というのが、おそらくは重要な因子だったのでしょう。
パソコンのワープロ・ソフトとかで書いていたら――
たぶん同じようなことは起きなかったと思います。
……
……
今、実際にやってみました(笑
同じ漢字がズラっと並んでいるのはグロテスクなのですが――
でも――
見知らぬ記号にはみえませんでしたね~。