マル太の『道草日記』

ほぼ毎日更新――

お世辞を言い合う関係というのは

 お世辞を言い合う関係というのは――
 一見、不健全な人間関係のように思われますが――

 よく考えると――
 そんなに不健全ではないのではないか、と思います。

 お世辞をお世辞のつもりでいっていて、いわれているほうもお世辞のつもりできいていて――
 そういう感覚をお互いに共有しているのなら――
 それは、実は、かなり安定した人間関係であるように思います。

 もちろん――
 お世辞のつもりはなくて――
 心からの褒め言葉のつもりでいっていて、いわれているほうはお世辞のつもりできいていて――
 そういう感覚がお互いに共有できているようなら――
 なおのこと、安定した人間関係といえましょう。

 問題なのは――
 お互いに言い合うのではなく――
 どちらか一方がお世辞を言い続けているような場合です。

 そういう場合の人間関係は、

 ――どことなく不健全である。

 といってよいでしょう。

 たぶん――
 それが「お世辞」ではなく、「心からの褒め言葉」であったとしても――
 不健全であることに変わりはないでしょう。