人は――
誰かを騙(だま)すよりは、誰かに騙されるほうが、よいと思いますが――
ときに――
騙されること自体が罪になることもあるので――
そう単純には割り切れません。
人が騙されるときというのは――
誰かを騙そうとしているときであったり――
誰かを出し抜こうとしているときであったり――
あるいは――
自分だけ利益を掠めとろうとしているときであったり――
自分だけ損害を免れようとしているときであったりします。
つまり、何かズルをしようとしているときですね。
もし、そのような“ズルをしようとする意図”がないのにもかかわらず、騙されてしまったら――
そのときは、
――騙すよりは騙されるほうがよい。
と、胸を張って自分にいいきかせることができるでしょう。
つまり――
最後は自分の良心の問題ですね。