マル太の『道草日記』

ほぼ毎日更新――

2つの言葉の意味が違うときに

 2つの言葉の意味が違うときに――
 その違いをスムーズに理解できないことがあります。

 例えば――
 Аという言葉とBという言葉とがあって、Aの意味がBの意味に含まれているときに――
 つまり、

 ――AならばBである。

 とはいえるけれども、

 ――BならばAである。

 とはいえないときに――
「AとBとは意味が違う」といわれて、
(え? ウソ? どこが違うの? 同じじゃないか!)
 と反駁したくなることがあるのです。

 たしかに――
 Aの側からみたら――
 AはBなのですよね。

 なぜならば――
 Aの意味がBの意味に含まれているということは――
 Aの意味は、例外なくBの意味をも指し示す、ということですから――

 ただし――
 Bの意味については、「例外なくAの意味をも……」とはなりません。

 このとき――
 Bの意味は、場合によってはAの意味を指し示しますが、それ以外の場合ではАの意味は指し示さないのです。

 こういうときであっても――
 AとBとの言葉は、意味が違います。
 
 それは、Аを「ヒト」、Bを「動物」として考えてみれば――
 よく、わかります。

 ヒトは動物ですが、動物はヒトではありません。

 そして、「ヒト」と「動物」とでは、意味が違います。