2つの言葉の意味が違うときに――
その違いをスムーズに理解できないことがあります。
例えば――
Аという言葉とBという言葉とがあって、Aの意味がBの意味に含まれているときに――
つまり、
――AならばBである。
とはいえるけれども、
――BならばAである。
とはいえないときに――
「AとBとは意味が違う」といわれて、
(え? ウソ? どこが違うの? 同じじゃないか!)
と反駁したくなることがあるのです。
たしかに――
Aの側からみたら――
AはBなのですよね。
なぜならば――
Aの意味がBの意味に含まれているということは――
Aの意味は、例外なくBの意味をも指し示す、ということですから――
ただし――
Bの意味については、「例外なくAの意味をも……」とはなりません。
このとき――
Bの意味は、場合によってはAの意味を指し示しますが、それ以外の場合ではАの意味は指し示さないのです。
こういうときであっても――
AとBとの言葉は、意味が違います。
それは、Аを「ヒト」、Bを「動物」として考えてみれば――
よく、わかります。
ヒトは動物ですが、動物はヒトではありません。
そして、「ヒト」と「動物」とでは、意味が違います。