世の中のことでは、
――帯に短し、襷(たすき)に長し。
というのが――
一番に厄介だと思うのですね。
厄介の厄介たる所以は、
――中途半端
です。
あるいは、
――生殺し
とでもいいますか――
それよりは、
――短すぎて襷にもできず、長すぎて帯にもできず。
のほうが、ずっとよい――
あきらめがつきやすい、という意味では、よほどスッキリします。
こうした狭間にハマり込んでしまって、延々と苦しんでいる人たちが――
世の中には、意外に大勢いると思うのです。
狭間にハマり込んでしまうよりは、両極の絶壁を転げ落ちてしまうほうが――
世事の苦しみは、少しは短くて済むのではないでしょうか。