組織に疑似人格を認めるかのような動きがあります。
例えば、企業に社会奉仕を期待たり――
正確には、社会奉仕に勤しむ企業に好感を抱く風潮が出てきたり――
それは、それで――
面白い発想とは思うのですが――
では――
その場合の組織と個人との関係は、どうなっているのでしょうか。
例えば、企業に疑似人格を認めたとして――
その企業の「人格」と、その企業の最高経営責任者の人格との関係は?
最高経営責任者は、その企業の活動を最終的に差配することになります。
つまり、その企業の「人格」は、最高経営責任者の人格に従属する――少なくとも、独立してはいない――
そのような関係は、別個の人格の間に成り立つ関係としては、健全でしょうか。
ちょっと健全ではないでしょう。
その不健全性は、
――山田さんの人格は、田中さんの人格から独立してはいない。
という状況を設定すれば――
すぐにわかります。
組織に疑似人格を認める際には――
何か厳格な基本ルールを設定する必要がありそうです。