50代とおぼしき男性医師が――
ちょっと興味深い手記をお書きになっていまして――
それを一読し、
(ホントかな?)
と思ったのですが――
結局は、
(まあ、ホントだろう)
と――
どういうことだったのかといいますと――
その医師の男性は、大学の医学部を卒業し、医師になった頃、どういうわけか、
――自分は、なかなか結婚できないに違いない。
と思い込み――
焦って今の奥さんと結婚されたそうなのですね。
――今にして思えば、そんなに焦る必要はなかった。
と、ご自分で述懐されている通りで――
たしかに、そんなに焦る必要はなかったはずと、僕も思うのですが――
僕が「ホントかな?」と思ったのは――
その男性が、医学部を卒業した頃に、「自分は、なかなか結婚できないに違いない」と、本当に本気で思っていらっしゃったのかどうか――
ということです。
医師といえば、現代の婚活市場では、かなりの人気職種だそうで――
その辺の事情は、20~30年前も、そうは変わりなかったでしょうから――
医師である男性が「なかなか結婚できない」という状況に追い込まれるとは、ちょっと考えにくいのですが――
おそらく――
その男性がご指摘になっているのは――
そういうことではないのですね。
――自分の気持ち
なのだと思います。
「なかなか結婚できないに違いない」というのは、
――自分は、誰かと本気で結婚しようとは、なかなか思えないに違いない。
ということだったのではないか、と――
よく、
――結婚は一人ではできない。相手とするものだ。
といわれます。
それは、たしかに、その通りなのですが――
あくまでも自分が結婚するのですよね。
自分一人で結婚するわけではないのですが――
相手一人で結婚するわけでもないのですよ。