この世には――
どうしようもない現実というのがあるのですね。
――人類の全ての叡智を集めても、おそらくは解決しえない問題がある。
という現実が――
そういう「どうしようもない現実」の問題に、いかに取り組むか――
あるいは――
取り組まないで、ひたすらに逃げるのか――
選択肢は2つに1つです。
「ひたすらに逃げる」というのは、一見、厳しく非難されるべき選択肢ですが――
実際は、そうでもありません。
「ひたすらに逃げる」というのは、意外にマシな選択肢なのです。
だって――
そういう人は、少なくとも、その「現実」の恐ろしさを知っているわけですから――
もっとも残念なのは――
そういう「現実」の存在それ自体を知らない人です。
存在を知らなければ――
取り組みようがないばかりか、逃げようもなく――
また――
そういう「現実」の問題に取り組んでいる人たちの苦労も、まったくわからないわけですから――