いわゆる、
――ボランティア活動
というのは――
報酬を受け取らずに何らかの仕事をすることですが――
その際に、
――報酬を受け取らないでやるのだから、そんなにきっちりとはやらなくても大丈夫――何もやらないよりは、ずっとましだ。
などと誤解をしては、いけませんね。
報酬を受け取らなくても仕事はきっちりやる――
それが、ボランティア活動の真髄です。
ここでいう「きっちりやる」とは、
――明確なプロ意識をもって、十分な報酬を受け取ったつもりでやる。
ということです。
ですから――
真のボランティア活動は、プロ意識の何たるかを弁えていない限りは、永遠に務まらないのです。
ある作家さんが、大学生らに向かって、次のように極言されていたことが、忘れられません。
――学生よ! ボランティア活動など早くやめてプロになれ! どんな分野のプロでもいいから――
その主張は、さしずめ、
――ボランティア原理主義
といってよいものでしょう。
原理主義というのは、一種の理想論ですから――
どんな場合でも、徹底的に実行するべきものではありませんが――
それでも、絶えず頭の片隅には留めおくべきものではあります。
つまり、理想をいえば――
本来、ボランティア活動は、自分が報酬を受け取るのに躊躇するような仕事では、決してやってはいけないのです。