よく、
――戦争は、始めるのは簡単だが、終わりにするのは難しい。
といわれますが――
シリアの内戦の報道などを見聞きしていると、
(たしかに、そうだな)
と痛感します。
国連の特使が、イスラム教の行事である犠牲祭にあわせ、4日間ほど停戦するように呼びかけたのですが――
呼びかけは双方に受け入れられず――
むしろ、ふだんよりも苛烈な戦闘が行われたような節さえ感じられます。
ほんの数日でさえ、やめられないのですから――
本格的な終戦というのは、少なくとも現時点では、絶望的といってよいでしょう。
なぜ、やめられないのか――
もしかすると――
依存しているのかもしれませんね。
いったん戦争を始めると――
人は戦争状態に依存するのではないでしょうか。
といっても――
戦争それ自体に依存するのではなく、戦争に付随する現象に依存する――
例えば、
――戦争なんだから仕方がない。
とか、
――勝つためには何でも許される。
とかいった“無理強い”がまかり通る社会環境に依存する――
ということです。
アルコールやギャンブルに依存している人たちが、なかなか立ち直れないように――
戦争に依存した人たちも、なかなか立ち直れないように思います。