――あ。それ、何だろう?
と思うようなことを見聞きしたときに――
(あとでネットで検索しよう)
と、そのときは思うのですが――
多くの場合は――
すぐに忘れてしまうのですよね。
パソコンの前に座ると、
(あれ? 何を検索するんだっけ?)
と戸惑っています。
こういうときにスマートフォンがあれば――
少しは違うのかもしれませんが――
でも――
たぶん、結局は同じようなことが起こるのだと思います。
というのは――
たとえスマートフォンがあって「あ。それ、何だろう?」と思ったとしても、すぐに検索できるような状況というのは――
けっこう稀です。
とくに人前などでスマートフォンを唐突に触り始めるは、ちょっと難しい――
つまり、スマートフォンをもっていようともっていまいと、「あれ? 何を検索するんだっけ?」と戸惑うのは一緒のことで――
ただ、その戸惑いが数時間後になるか数十分後になるかの違いではないかと思うのです。
たぶん――
それでよいのだと感じます。
何を検索するのかも思い出せないような事柄ならば――
たとえ、それをすぐに検索できたとしても――
調べた内容は、すぐに忘れてしまうでしょう。
おそらくは――
何でもかんでも、すぐに「検索しよう」と思う意欲のほうが、不自然なのです。
そうした意欲は、実は“気の迷い”の亜種かもしれません。
この世の中には――
すぐには知らなくてよいことも、たくさんあります。