自分の立ち位置を見定めないうちに何かを語っても――
何となく安っぽい言葉のつながりが散らばるだけです。
――立ち位置
というのは――
例えば、自分の生まれた国の文化や歴史、思想、気候、風土などです。
場合によっては――
自分の生まれた家庭の慣習や宗教、経済状況、教育方針なども――
その「立ち位置」は、出生時に一方的に与えられるものであり――
それを出生時に拒むことは何人(なんぴと)たりとも許されません。
ですから――
人は、長じて、その所与の「立ち位置」を見定め――
やがて、それを拒むか拒まぬかの選択を迫られます。
拒むというのなら――
どこか、よその国へ――あるいは、全く別の家庭を――
その選択を、しかと済ませてからこそ――
何かを語るのがよいでしょう。
済ませないうちに何かを語っても、おそらくは――
どことなく浅薄な内容で終わってしまうことが、ほとんどです。