歌を音楽的に唄う人と文芸的に唄う人とが――
いるように思います。
――音楽的に唄う。
とは、唄声も楽器の音とみなして唄う、ということです。
――文芸的に唄う。
とは、歌詞の内容が明確に伝わるように唄う、ということです。
音楽的に唄われるときの唄声は、聴いていて心地よいのですね。
何度も聴きたくなる――
が、歌詞の内容については、あまり考えたくならない――
一方――
文芸的に唄われるときの唄声は、聴いているうちに色々なことを考えます。
歌詞の内容を反芻したくて、何度も聴きたくなる――
が――
頭の中が言葉で占拠され、音楽を味わっている感覚が乏しくなる――
つまり、頭でっかちに聴いてしまう――
もちろん――
どちらが“良い”とか“悪い”とかいうつもりはありません。
ただ、
(少なくとも2通りはあるな)
ということです。