マル太の『道草日記』

ほぼ毎日更新――

討論をするときは

 討論をするときは――
 早口でないほうがよいのですね。

 何かの主張を早口でしても、あまり説得力が感じられません。
 なんだか自信がないようにきこえてしまう――あるいは、十分な思慮を欠いた主張のようにきこえてしまう――

 討論をするときは――
 ゆっくりと重々しく話すのがよいでしょう。

 少しわざとらしくするくらいが、ちょうどよいかもしれません。

 そうすることで――
 通り一遍の主張が、堅牢な論陣にも感じられる――

 常識的で平均的な発言が――
 ひどく独創的で先鋭的な発言にきこえたりもする――

 なぜでしょうか。

 それは――
 討論の真っただ中で、ゆっくりと重々しく話すことが、大変に難しいからです。
 たいていは、早口になってしまう――

 それが、討論に臨むときの人の心理なのです。

 討論の最中に、ゆっくりと重々しく話せる人は――
 それだけで、優位に立てています。

 それは――
 自分が展開している主張の内容以外についても、十分に配慮できているということですから――

 ということは、おそらく――
 その主張の内容は十分に練られたものになっているはずです。