討論をするときは――
早口でないほうがよいのですね。
何かの主張を早口でしても、あまり説得力が感じられません。
なんだか自信がないようにきこえてしまう――あるいは、十分な思慮を欠いた主張のようにきこえてしまう――
討論をするときは――
ゆっくりと重々しく話すのがよいでしょう。
少しわざとらしくするくらいが、ちょうどよいかもしれません。
そうすることで――
通り一遍の主張が、堅牢な論陣にも感じられる――
常識的で平均的な発言が――
ひどく独創的で先鋭的な発言にきこえたりもする――
なぜでしょうか。
それは――
討論の真っただ中で、ゆっくりと重々しく話すことが、大変に難しいからです。
たいていは、早口になってしまう――
それが、討論に臨むときの人の心理なのです。
討論の最中に、ゆっくりと重々しく話せる人は――
それだけで、優位に立てています。
それは――
自分が展開している主張の内容以外についても、十分に配慮できているということですから――
ということは、おそらく――
その主張の内容は十分に練られたものになっているはずです。